先日からアメリカの給与計算について書いていましたが、少し文字が多すぎたかなと反省いたしました。そこで、今日はアメリカの給与計算がどのような流れで行われているか図解したいと思います。
文字はできるだけ少なくしたいと思いますので、是非最後まで眺めていただけますと幸いです。
まず、給与計算で必要な事を整理しましょう。
アメリカの給与計算で主に行わなければいけないこと
- 給与支給総額の決定
- 税引前控除額の計算(401K等)
- 各徴収税額の計算(連邦所得税・FICA tax・州税・連邦雇用保険税・州雇用保険税等)
- 税引き後支給額の決定
- 控除した金額を各自治体へ納付
- 税引き後支給額を各従業員に支払(銀行振込の場合は銀行への振込指示)
- 各自治体へのレポート作成
- 各従業員への支給明細作成
- 四半期・年次ごとに各自治体へのレポート作成
- 従業員への年次源泉徴収票の作成
これを全て自社で行うとすると、このようなイメージになります。
各当局への報告・納税や銀行への支払指示、従業員への連絡と非常に大変そうですね。Bi-weeklyの場合、月に二回この作業を給与担当者が行わなければいけなくなるので業務負荷は相当高いと思われます。
次にペイロールベンダーを使った場合のイメージは、以下のようになります。
ベンダーを使う場合、「〇日にこの給与を払ってね」と入力してあげると、当局への報告・納税、銀行への支払指示、従業員への給与明細の共有等を行ってくれるのでだいぶ楽になりますね。
処理が完了したら、ベンダーからレポートをもらい確認します。
そして最後に駐在員の給与計算を図解してみました。
駐在員の給与計算は少し現地従業員と異なります。ここでは我々のような会計事務所をご利用いただいた場合のイメージ図を作成してみました。
駐在員の場合、給与情報を日本からも収集する必要があったり、各在米駐在員から集めたりする必要があることがあります。また、適正なグロスアップの計算を行う必要もありますので、現地従業員の給与計算と比べて処理が複雑化します。
(詳しくは先日の記事をご参照ください。)
アメリカの給与計算事情を簡略化して図解してみました。実務上は各企業によって必要な情報が異なっていたり、独自のレポートを作成していたりしますので更に複雑になっています。
日本では給与計算の外注はまだあまり浸透していないので、イメージが持ちにくいかと思い今回図解してみました。
「アメリカの給与計算ってどうなってるの?」と疑問に思われた方に参考になれば幸いです。