先日トランプ大統領がExectuvie Order “Modernizing Payments To and From America’s Bank Account”に署名し、2025年9月30日以降、連邦政府からの支払いについて小切手を廃止することを発表しました。
この「連邦政府からの支払い」には、確定申告時の還付金も含まれます。
Executive Orderの詳細は以下のリンク先になります。
“Modernizing Payments To and From America’s Bank Account”

小切手が廃止された後は、原則還付金は納税者の銀行口座に直接振り込まれることになります。
在米日系企業の対応
現状、在米日系企業では、駐在員の還付金を毎年小切手で受け取っている企業が多く見受けられます。
以下では手取り保障の対象となっている駐在員への対応を解説します。
企業担当者の作業
小切手が廃止された後、還付金は各駐在員の銀行口座に振り込まれることになりますので、還付金の管理が担当者の大変な負担になることが予想されます。
今までは、郵送された小切手を会社銀行口座に入金すれば作業は完了でしたが、小切手が廃止された後は以下のような作業が必要になることが予想されます。
アメリカにいる駐在員への対応
確定申告書提出後、以下の作業が必要になります。
- 各駐在員分の還付金額を確認
- 各駐在員へ還付金額と還付金受領後の対応を案内
- 還付金受領後、駐在員から小切手又は振り込みにより会社口座へ入金
- 未対応駐在員へのリマインダー送信
数名の駐在員であれば、そこまでの作業負荷にならないと思いますが、数十名規模になると担当者の負担が非常に大きなものになると考えられます。
帰任者への対応
帰任者の確定申告の場合、日本からアメリカの銀行口座を確認してもらうことになるので、現在の小切手の処理よりも手間が発生することが予想されます。
2025年中に帰任された方に対しても、同様にアメリカから還付金確認の上記作業が必要となります。
小切手廃止への対応
還付金の受取方法について整理
2025年分確定申告書(2026年4月15日期限)を提出後、各駐在員の銀行口座に還付金が振り込まれることなります。
そのため、各駐在員に対し、確定申告書作成時に銀行口座を正しく入力するよう周知する必要があります。
会計事務所に駐在員分の確定申告書作成を依頼している場合は、会計事務所とどのように駐在員の還付金を取り扱うかを申告書作成時より前に確認いただくことをお勧めいたします。
申告書作成のシーズンになると慌ただしくなってしまうので、今のうちに対策や情報の整理を進めておくと良いでしょう。
帰任者への案内
2025年以降に帰任する駐在員に対して、アメリカの銀行口座を来年の申告が完了するまで開けておくように案内する必要があると考えます。
2025年分の確定申告書提出後、アメリカの銀行口座が無い場合、還付金を受け取ることができない可能性があります。
(特例措置があるようなので、特例への対応は後日発表されると予想されます。)
今後、特例への対応がどのようになるか不明のため、現状では帰任者にアメリカの銀行口座を翌年の申告作業が完了するまで開けておくようにご案内いただくことをお勧めいたします。
まとめ
小切手が廃止されることで、在米日系企業の駐在員や担当者の作業負荷が大きくなることが予想されます。
来年の申告書シーズンが始まる前に、還付金の受取方について社内で整理されることをお勧めいたします。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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