アメリカに駐在することが決まった方々に、日本から出国する前に税務の面から準備しておいた方が良いことをまとめてみたいと思います。
赴任前は何かと準備で忙しいと思いますので、税務の観点から「これだけは!」という事項を簡潔にまとめました。
銀行口座情報をまとめる(配偶者の分も)
アメリカでは米国外に$10,000以上の預貯金や株式等の金融資産を持っている場合、毎年米国政府へ米国外金融資産全ての報告が必要になります。報告する内容は以下の通りです。
- 金融機関名
- 支店名
- 支店住所
- 口座番号
- 暦年間の最高残高
オンラインで確認ができる銀行・証券口座等につきましては、出国前にオンラインの設定を済ませておくと便利かと思います。
この報告はFinCEN Form 114というフォームを使って行われるもので、報告を怠ると罰則も設けられています。「日本の事だからわからないだろう。」と思っていると、バレた際に多大な罰則が課せられる可能性もありますので忘れずに確認をするようにしておいてください。
また、既婚者の方は配偶者の分の情報も忘れずに確認するようにしてください。へそくりがバレますが、罰則のある報告なので諦めましょう。(泣)
米国外金融資産の報告については、後日詳細を書きたいと思います。
給与以外の個人的所得を確認できるようにしておく
アメリカで赴任を開始すると、税務上アメリカの居住者に該当し、全世界所得をアメリカの確定申告書で報告する必要があります。
すなわち、日本にある個人的所得(例:利子所得・配当所得・不動産所得等)もアメリカで申告が必要となります。
渡米後にオンライン等で確認する方法が無いと申告時に困ることになるので、渡米前に日本の個人的所得を確認できるようにしておきましょう。
また、配偶者の方がお仕事をされている場合、配偶者の所得も申告する必要がある可能性がります。
配偶者の源泉徴収票等も確認できるようにしておくことをお勧めいたします。
納税管理人の設定をしておく
赴任中に確定申告をする予定の無い方は、基本的には納税管理人の設定は必要ありません。
ただし、何かしらの理由で確定申告を行う予定のある方は納税管理人を設定してください。
納税管理人届出書は、赴任期間中に自身の確定申告書の提出や税務署からの通知受取を代理で行っていただく方を指定する届け出になります。
納税管理人の設定方法は、国税庁のホームページに記載されています。
また、固定資産税をお支払いされている方は、別途固定資産税の納税管理人の設定が必要になります。
こちらも赴任期間中に持ち家等の固定資産税の通知等を、代理で受け取っていただく方を指定する届け出になります。
東京都の場合、下記のホームページに詳細が記載されています。
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shomei/80.pdf
東京都以外で固定資産税を支払われている方は、各自治体のホームページ等でご確認ください。
住宅ローン控除を受けている場合は届出書の提出
住宅ローン控除を受けている方は出国前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出手続」が必要となります。
赴任期間中は住宅ローン控除を受けることができませんが、日本に帰任した際に住宅ローン控除の残余期間があれば再度控除を受けることができます。
再度控除を受ける際に、出国前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を管轄の税務署に提出しておく必要があります。
赴任前に住宅ローン控除を受けている場合は、こちらの届出書を提出しておくことをお勧めします。
適用証明書の申請(人事部等)
アメリカに赴任する場合、アメリカのFICA taxを免税にするために「適用証明書」が必要となります。
通常、こちらの申請は人事部等の担当者が行う手続きですが、勤務先がアメリカへ初めて赴任者を送り出すといった場合は忘れずに確認をするようにしてください。
こちらの適用証明書の申請は日本年金機構にて行います。
上記5つが主に税務の観点から赴任前に準備・確認しておいた方が良いことだと考えます。
その他引越等の準備も大変だと思いますが、赴任後に行うアメリカの確定申告等のためにもこれらの準備をいただくとスムーズに行くと思います。
追伸
個人的には以下も重要な赴任前準備と考えています。
- 王将で餃子とラーメンを食べる。
- 新鮮なお刺身や寿司を食べる。(アニサキスに注意)
- お気に入りのつけ麺を食べる。
- 丸亀製麺で天ぷらとうどんを食べる。(二日酔いの時至高)
- その他(人によってはウナギ等)
アメリカでも日本食はたくさんありますが、どこも高いので日本にいる間に満喫しておきましょう!